ソーラー発電の独自色
環境コストを企業の努力で吸収出来ぬ場合は消費者に転嫁することになるも,他社競合商品が自社製品よりも環境コストが安価な場合は競争力を喪失することになるので,経営者は厳しい局面に晒されることとなる。
第四には,自然への関心と自然保護運動の高まりがある。
自然環境は目に見える事象であり映像を通じて市民の感情に訴えやすい分野でもある。
今後の自然保護の状況にもよるが,今までと同様の消失速度が続くとすれば自然保護運動のうねりは無視出来ない高まりとなって来よう。
自然との関わりの深い産業界にとってこれまで以上に関心を持って対処する必要がある。
第五に,地球環境問題は単なる技術の改善では解決出来ず,画期的な技術的ブレーク・スルーヘの期待がある。
人類はその誕生以来,様々な困難に遭遇した時は,知恵を出し,工夫を凝らして,技術的ブレーク・スルーにより突破口を見つけて来ている。
今後世界は総力を挙げて地球環境問題解決に注力していくことになるので,色々な分野で技術革新が行われると想定される。
なお,社会システムの変革を促すブレーク・スルーは,自然科学や,工学的な分野に止まらず,新しい社会システム構築,革新的コンセプトによる国際ルール策定等,人文科学の分野でも同じく期待される。
これからの地球環境時代に企業が存続出来るための条件は,まず,地球環境の変化とそれを取り巻く国際情勢の変革を見通す「先見性」であり,第二に,急進化する内外世論に的確に対応すべく「社会と共生」が出来ることであり,第三には,それらから派生して生じる様々な「制約条件を克服する能力」が求められる。
かかる企業の存続条件を踏まえた上で,地球環境時代における企業戦略として欠かせないことは,1.企業の社会的評価の確立,2.企業を取り巻く情勢変化への対応,3.環境リスクの回避,4.環境ビジネスの取り組み,である。
これらの課題をバランス良く実現していかねばならない。
地球環境時代に企業が生き延びるためには,地球環境問題に関わる将来動向を明確に把握して対応することが求められるが,大事なことは社会から「環境保全型企業」として認められることである。
このことは,その旨を経営方針で明確に表明し,企業活動で具体的に実行することによって,始めて社会的評価が定まる。
例えば,ISOの環境マネジメントシステムの導入もやがて企業経営の必須条件になろう。
社会は環境保全に熱心な企業とそうでない企業を峻別するようになり,その社会的評価は企業イメージとして定着すると共に,商品の選択基準ともなり,株式の格付けにも影響し,従業員の採用等,色々な形で企業経営にインパクトを与えることになる。
変化に対する柔軟で機敏な対応力の発揮環境に関わる各種国際条約の締結,それに基づく国内法の制定と強化等,汚染防止のための様々な直接規制や経済的手法の導入問題は,原料購入,製造過程への影響を生じせしめる。
更には,気候変化,植生の変化,海面上昇等の問題は長期に亘るプロジェクト計画について,気候と地勢学的検討が判断の重要な要素となる。
短期的には異常気象による被害が既に環境リスクに入って来ている。
加えて何よりも重要なことは,世の中の価値観の変化への柔軟で機敏な対応が求められることである。
地球環境保全という大きな潮流の中で,企業にとって越えねばならぬ様々なハードルが今後数々発生してくる。
企業は色々な制約条件に積極的にチャレンジして克服することにより競争力を維持し強化してゆかねばならない。
環境リスクの怖ろしさは,一度,公害を発生させた時,あるいは環境破壊をした場合の企業の負担と賠償責任は巨額なものとなり,企業の存亡に関わって来ることである。
環境に関心が高まるにつれて,市民活動が活発となり,国内市民団体を始めとして国際的なNGOも色々なネット・ワークを結び,国際機関,各国政府,企業の監視を深めている。
場合によっては,厳しい非難と攻撃の的になることもあり得る。
各国は,汚染防止と汚染箇所修復のための各種法律制定と規制強化を行っており,法律と規制の遵守を求めている。
企業は,環境リスク発生を未然に防ぐべく,これまで以上に,対応型経営から,国際的観点と長期的視野に基づく,洞察力と判断力を持った予防型経営への転換が求められる。
環境保全を効果的に行う一つの有力な方法は,市場経済のメカニズムを通じての企業による環境ビジネスの開発と普及である。
環境保全の機運が高まる中で,規制強化や経済的手法導入によるコスト・アップを解決するためには,新しい技術や製品の開発が必要である。
環境ビジネスが期待されるところである。
例えば,米国では,1993年初頭にクリントン大統領が環境産業戦略を発表して,2000年には6000億ドル(60兆円)にならんとする世界の環境産業市場で,米国は,競争力を付けてリーダーシップを取るべきとしている。
また,日本では,1994年6月に産業構造審議会が環境産業ビジョンを発表し,その中で,日本の環境産業の市場規模を現状の15.3兆円から2000年の23.3兆円,2010年の35兆円と想定している。
伝統的な公害防止機器に加えて,省エネルギー機器,省資源プロセス,リサイクル可能な原材料等,広範囲な分野で環境ビジネスへの取り組みが行われているが,新しい着想の下に,革新的技術を開発した試みが各企業により色々な分野で始まっている。
エネルギーの大部分を海外に依存し,廃棄物処分場の確保が困難となっている日本にとって極めて有望視されている可燃性廃棄物の固形燃料化によるリサイクル事例や,ゴムの木の廃材利用システムによる熱帯雨林代替材雲開発は,貴重な資源節約,途上国での現地生産による雇用促進,経済成長と輸出促進に貢献する等,輸入国の日本にとっても得るところが多い環境ビジネスとしての見通しが極めて明るい事例もある。
地球環境保全についての考え方が深まれば深まるほど企業に対する環境ビジネス促進期待が高まり,環境負荷の多い製品は,より環境負荷の少ない製品に取って代わられることを考えれば,企業の環境ビジネスへの積極的取り組みは企業の体質改善にも大きな役割を果たすことにもなる。
3企業戦略実現のための具体的対応地球環境時代の四つの企業戦略を着実に実現するためには,企業内部に相応の具体的対応策が必要となる。
製造業と非製造業,あるいは,業種によってそれぞれやり方が異なるが,全体を通して基本となる対応策は以下が考えられる。
企業理念と経営方針の確立経営者は,地球環境保全企業であることを企業理念に位置づけ,経営方針の一つとして明記することが第一に求められる。
地球環境問題はまだまだ歴史も浅く,必ずしも全従業員がその本質を理解して企業活動に反映しているとは限らない。
従って,まず経営者が関心を示し,会社の経営方針とすることにより,従業員は会社の意志と姿勢を知ることになる。
更には,明文化された企業理念を会社の年次報告書とか社内広報誌に掲載して内外に宣言することも併せ重要なことである。
地球環境に関わる会社の経営方針を公表することにより自らを律すると共に,社会は,その会社の考え方を知ることが出来,会社評価の一つの基準ともなる。
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